右派セクターは、ウクライナ至上主義を訴える過激民族主義勢力だ。現地メディアの報道によると、複数の民族主義団体が昨年(2013年)11月、右派セクターを設立。主導的な立場の団体のリーダーだったドミトロ・ヤロシ氏(42)が、右派セクターの代表に就任した。
ヤロシ氏の出身母体の団体は、旧ソ連などを相手に非合法の武装闘争を指揮した過激民族主義者、ステパン・バンデラ(1909~59年)の名前を冠しており、多くのロシア人は強い嫌悪感を抱く。ヤロシ氏はウクライナが旧ソ連にあった時代から独立闘争を続けており、メンバーに対し軍事訓練を施している事実も明らかにしている。
2月政変で主導的役割
右派セクターは2月の政変で主導的役割を果たした。特に衝突が激化するなかで、バリケードや火炎ビンなどを使った武力闘争でその存在感を発揮した。メンバーは1万人程度とみられている。3月には政党登録し、ヤロシ氏は5月25日に行われる予定の大統領選への出馬を表明した。