エボラ出血熱の流行が疑われる国=2014年4月8日現在【拡大】
西アフリカのリベリアで人道支援活動中にエボラ出血熱に感染した米国人2人のうち、ケント・ブラントリー医師(33)が8月2日、帰国し、特別医療機や救急車で南部ジョージア州アトランタの病院に搬送された。米国の病院がエボラ出血熱の感染者を受け入れるのは初めてで、隔離施設で治療を受ける。一方、米国立衛生研究所(NIH)は3日までに、エボラ熱のワクチンについて、初期段階の臨床試験を9月にも始めると発表した。致死率25~90%とされるエボラ熱にはワクチンや治療法が見つかっておらず、感染拡大の防止に向けて試験の成果が期待される。
ブラントリー医師はリベリアの病院でエボラ熱の感染者の治療などに従事し、自身も感染した。2日、隔離設備を備えた特別医療機でアトランタの空軍基地に到着し、救急車で米疾病対策センター(CDC)の本部に近いエモリー大学病院へ運ばれた。ウイルスが外部に漏れないよう設計された特殊な病室に収容され、医療スタッフはマスクやゴーグル、手袋などを着用して十分な感染防御策を講じる。エモリー大学病院のように高度な隔離病棟を持つ病院は全米に4カ所しかない。