ハリコフ中心部の自由広場で行われたマレーシア機撃墜事件の追悼コンサート。チャイコフスキーの「悲愴」の旋律が夕空に響き、背後ではレーニン像が厳かな儀式を見守った=2014年、ウクライナ・ハリコフ州(佐々木正明撮影)【拡大】
犠牲者の遺体はアムステルダムへと搬送された。ハリコフの空港では追悼式典が営まれ、正装したウクライナの警察官が、一つ一つのひつぎをオランダの軍用機に運び入れた。
整然と隊列を組み、軍用機を見送る警官隊の姿は、無念にもこの地に散った死者の魂を弔う厳かな儀式だった。
中心部の自由広場。地元の管弦楽団が、追悼コンサートを行った。チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」の旋律が、夕暮れの陽光の中に溶けていく。広場にそびえ立つレーニン像は、犠牲者を悼む人間の営みを静かに見守っていた。(佐々木正明 写真も/SANKEI EXPRESS)