安価で迅速(じんそく)にロボットを作ろうと試行錯誤した研究チームがたどり着いたのが、平らな紙を複雑に折り曲げ、立体アートを作り出す日本の折り紙の技術を応用する案だった。確かに一連の動作を見ると、まるで折り紙を折っているようだ。
研究チームは折り紙の特殊な折り目のパターンを記憶させた「オリガマイザー」というコンピューターソフトを開発。さらに、厚紙や高温で折れ曲がる形状記憶プラスチックなどを組み合わせた5層構造のボディーを作り、折り紙ロボットを完成させた。
1台作るのにかかるコストは80~100ドル(約8000~1万円)。そのうえ、レーザーカッターやプリント基板を用いる旧来の製造技術で作れるため、簡単に大量生産できる。
フェルトン氏は「安価なうえ、(いま流行の)3Dプリンターを使うより簡単に100~1000台単位で大量生産できる」と強調。研究チームに形状記憶プラスチックの使用などをアドバイスした米ノースカロライナ州立大学のマイケル・ディッキー化学・生体分子工学担当教授もニューヨーク・タイムズ紙に「工学技術における驚くべき偉業だ」と絶賛した。