東京都世田谷区の三軒茶屋にある「アンシェーヌ藍」は、落ち着いた雰囲気の中でおいしい料理を楽しめるフレンチレストランだ。“世田谷マダム”だけでなく、皇室や政府関係者もご用達というこの店は、実は障がい者の自立を支援するための職場でもある。オーナーの竹ノ内睦子さん(社会福祉法人「藍」理事長)に話を聞いた。
「ウエートレスをしたい」
「すてきなレストランで、ウエートレスをしたい」。アンシェーヌ藍は、「藍」で働く工藤はるかさんのそんな夢からスタートした。
「藍」の理事長である竹ノ内さんも大病を患い、車いすを利用している。脳性麻痺の女性と出会い、「仕事がしたいのに、働く場がない」と訴えられ、1983年に世田谷で伝統工芸の藍染の「藍工房」を立ち上げた。
竹ノ内さんのモチベーションはとてもシンプル。「私は障がいをもつ人の夢は、絶対にかなえたい」と断言する。「健常者がやれることは、障がい者もやっていいと思う。障がいがあるからって、何かをあきらめなきゃならないのはおかしい」