海外から帰ってくる旅行者らとともに、こうした感染症を国内に侵入させないよう、水際で戦っている全国の国際空港の検疫所は、この時期大忙しのようだ。帰国後、不調を訴える人々の相談、検査などを行うだけではなく、感染症の流行地から帰ってくる飛行機に乗り込んで、蚊が運ばれていないか確認しているのだとか。
日本のような非流行地の人間は発症リスクが高くなるといい、現地で感染してくる旅行者も年間50人ほどいるという。大阪検疫所の担当者に対策を聞いたところ、肌の露出を控えることに加え、ディート(DEET)などの有効成分が含まれる虫よけ剤を利用することを勧められた。また、宿泊施設も網戸のしっかりある所を選ぶように心がけることや、マラリアを媒介する蚊は夜行性のため、その時間帯の野外活動には注意する。聞いてみると、ちょっとしたことで十分リスクを避けることができそうだ。
日本にいても刺されるとかゆくなるやっかいな虫だが、ところ変われば命に関わってくる。そこまでいかなくても、楽しいはずの海外旅行が台無しになってしまうことを考えれば、ガイドブックを眺めるついでに、海外の感染症情報をチェックすることも必要かもしれない。(佐々木詩/SANKEI EXPRESS)