和菓子だったなら…
長塚さんが取り分けてくださったお肉の固まりを上手に切れなくて、ノロノロしていましたら、「平松さん、お肉を見て切ってください」と言われました。なかなか切れないものですから、お隣の席の編集さんのお話を、お顔を見ながら聞いて、お肉をずっとナイフでゴシゴシこすっているような行動になっていたのです。
帰りに、編集さんに和久傳(わくでん)の西湖をいただきました。れんこんと和三盆で作られた葛餅のようなお菓子は、私の大好きな夏の和菓子です。家に帰って透明のガラスの和食器にのせて笹の葉をそおっと開けると、キラキラひかる焦げ茶色の固まりが、プルンと光ってまるでジュエリーの原石のようでした。銀のスプーンですくってほおばりました。和菓子は上品にいただくことができるんですよ。この姿を長塚さんにお見せしたかったなって思いながら、真夜中に一気に5個も食べてしまいました。(イラストレーター 平松昭子/SANKEI EXPRESS)