お目当てのぼんぼりを探しながら歩く。それも楽しみのひとつだ。竹中直人さんはNHK大河ドラマの秀吉役の自画像。昨年は△と□と○で人生を描いた詩人の加島●(=示へんに羊)造さんは「求めない その自分を受けいれる…」と今年もまた味わい深い。ぼんぼり観賞のベテランになると、夕闇の中でぼんぼりの柱に貼られた名前を確かめるために懐中電灯持参でやってくる。
ぼんぼり祭の開催期間は、毎年立秋の前日から鎌倉幕府三代将軍・源実朝の誕生日である8月9日までなので、暦の関係で3日間の年と4日間の年がある。今年は4日間だったので、お天気に気をもむ期間もそれだけ長かったが、幸いにして最後まで雨は持ちこたえた。
ぼんぼり祭が終わると、さあ涼しくなるぞ…とついつい期待してしまうが、今年もまた残暑は厳しそうだ。(編集委員 宮田一雄/SANKEI EXPRESS)