「演じる人の気持ちに寄り添えば絶対にせりふは出てくる。せりふではなくて、演じる人の心から出た言葉を話すことが大事」と語る、落語家の林家たい平(はやしや・たいへい)さん=2014年6月20日、東京都港区(栗橋隆悦撮影)【拡大】
江戸の長屋を舞台にした本作は、たくさんの古典落語の噺(はなし)を取り入れた人情物語。わけあって噺家修業を断念したたい平(たい平)は放浪の末、江戸・深川の長屋に流れ着く。ある日、たい平は隣に住む夫婦(富田靖子、ゴリ)から「元気のない息子に落語を教えてほしい」と懇願され、人助けと思って引き受けることにした。少年の名は貞吉(福崎那由他)。奉公先でいじめられ、すっかり心を閉ざしてしまったという。貞吉は落語の稽古に打ち込むうちに笑顔を取り戻していく。日に日に腕を上げていく貞吉を目の当たりにしたたい平もどこか気持ちに変化が芽生える。
監督に警戒→協力
板屋監督は浜田省吾(61)、ユニコーン、ポルノグラフィティらのミュージックビデオを手がけてきた人物で、本作の主題歌「君に捧げるlove song」は浜田が2003年にリリースしたシングルでもある。落語とは親和性が低くも見えるアーティストたちとのコラボレーションに違和感を抱く落語ファンも多いだろう。たい平もその一人で、最初の企画会議で板屋監督に初めて出会ったとき、その発言内容に神経をとがらせていたそうだ。