「演じる人の気持ちに寄り添えば絶対にせりふは出てくる。せりふではなくて、演じる人の心から出た言葉を話すことが大事」と語る、落語家の林家たい平(はやしや・たいへい)さん=2014年6月20日、東京都港区(栗橋隆悦撮影)【拡大】
しかし、相手と自分の間がうまく共鳴したときには、全く違う音色が聞こえてくる。それは落語にはない楽しさでした。『この女優さんと共鳴するとこういう音がするんだ』と感心しながら演技を続けました」。映画という未知の世界に思い切って飛び込んだのは正解だったと感じている。
本作では現代に負けず劣らず世知辛い世の中が描かれているが、今も昔も市井の人はどんな生きる知恵を身につけたらいいのだろう。たい平の考えは明確だ。「人は1人では生きられません。映画作りと一緒です。人とぶつかって傷つくことを怖がってはだめ。いろんな人とのつながりの中で、たくさんの思いを胸の中に吸収していく。それが生きていく上での原動力になると思いますね」。8月23日、全国のイオンシネマで公開。(文:高橋天地(たかくに)/撮影:栗橋隆悦/SANKEI EXPRESS)