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岡村昭彦の写真展 キャパを継いで戦場記した男 (2/4ページ)

2014.8.22 12:30

国道9号線をホーチミン・ルートの要衝セボンに向かっていた南ベトナム政府軍の装甲車部隊は、25キロ進んだ地点で地雷を踏んで爆発した。衝撃で装甲車からたたき落とされた兵士=1971年2月、ラオス(岡村明彦氏撮影、提供写真)

国道9号線をホーチミン・ルートの要衝セボンに向かっていた南ベトナム政府軍の装甲車部隊は、25キロ進んだ地点で地雷を踏んで爆発した。衝撃で装甲車からたたき落とされた兵士=1971年2月、ラオス(岡村明彦氏撮影、提供写真)【拡大】

  • ナイジェリア軍の機関銃に左胸を撃ち抜かれて倒れるビアフラ軍兵士=1969年、ビアフラ(現ナイジェリア、岡村昭彦氏撮影、提供写真)
  • 1969年頃、ビアフラ(現ナイジェリア)で取材中の岡村昭彦氏(1929~1985年、東京都写真美術館提供)
  • 到着した救援食料にとびつく人々=1969年、ビアフラ(現ナイジェリア、岡村昭彦氏撮影、提供写真)
  • カトリックに対する勝利を祝うプロテスタントの祭りで、裏切り者をかたどった人形を相手に遊ぶ子供たち。遠くで警官が見つめている=1970年頃、英国・北アイルランドのロンドンデリー(岡村昭彦氏撮影、提供写真)
  • 報道写真家、岡村昭彦氏(1929~1985年)が戦場取材に赴く前に撮影したラスト・ピクチャー=2014年7月19日、東京都目黒区の東京都写真美術館(渡辺照明撮影)
  • 報道写真家、岡村昭彦氏(1929~1985年)が愛用したズミルックス35ミリレンズを装着したライカM4(手前)。後ろはニッコール105ミリを装着したニコンF=2014年7月19日、東京都目黒区の東京都写真美術館(渡辺照明撮影)

 「土煙が晴れると、道路の中央には、装甲車からたたき落とされた兵士がひとり擲弾銃(てきだんじゅう)を右手に、地面に両ひざをついている。その左手には、ひとりの兵士がいまひとりの兵士にすがりついている。私は道路の左手に移動しながら、シャッターを3枚切った。両ひざを地面についた兵士の目は赤く、大きく見すえたまま動かない」

 この現場における岡村の一連の視点はあくまでも立った目線で、誇張することなく、状況を克明に記録することに徹していることがわかる。

 この写真は1971年3月12日号の「LIFE」の表紙で使われたが、爆発のショックで呆然(ぼうぜん)としている兵士に焦点をあてるようトリミングして掲載された。このルポルタージュは南ベトナム政府軍と米軍の敗北を暴きだし、岡村は2度目の入国禁止処分を受けた。

 ≪「怖いからこそ報道する価値がある」≫

 岡村昭彦は1965年、解放区で潜入取材を行ったため南ベトナム政府から5年間の入国禁止処分を受けた。その後ベトナム戦争の空白を埋めるかのように、ドミニカ共和国、西アフリカのビアフラ、北アイルランドなど世界各地の紛争地域を精力的に歩いた。

岡村昭彦の「シャッター以前」とは…

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