敵味方が判然とせず
ハサン氏を含む計4人の取材チームは、地元武装勢力の案内で越境。イスラム国の支配が及んでいないはずの地域に、15人ほどの黒覆面の男たちが現れ、刀を突き付けてきた。イスラム国メンバーを名乗る男らはトルコ人のハサン氏を引き渡すよう武装勢力に要求、ハサン氏らは命からがら走って逃げた。
シリア北部のトルコとの国境地帯は2012年頃まで、反体制派の穏健派武装組織「自由シリア軍」が大半を掌握していた。しかし、反体制派の分裂や過激なイスラム国の台頭で状況は一変。敵味方が判然としない複雑な状況となった。
ハサン氏は湯川さんについて「遠い日本から来て、これほどの危険を冒してまでシリア入りする理由は何なのか」といぶかしみ、「自分は恐ろしくて二度と行かない」と硬い表情で付け加えた。(共同/SANKEI EXPRESS)