細胞の存否について、理研は「現時点では判断できない」としている。今回の手法では細胞を作製できなかったが、他の実験条件でも検証する必要があるとして、今後は細胞の作製方法やマウスの系統などを変えて実験を行う。
小保方氏は検証チームに実験方法などを助言する一方で、11月末までの予定で自ら実験を独立して行う。現在は準備段階だが、まず今回と同じ手法で細胞を作製することを目指す。
歯切れ悪い会見
STAP細胞は新型万能細胞として1月に論文発表されたが、理研の調査委員会は画像の捏造(ねつぞう)や改竄(かいざん)の不正があったと認定。論文は7月に撤回され、細胞が存在する科学的な根拠は既に失われている。
「あります」と、小保方氏が不正認定に対して会見で反論してから4カ月余りが過ぎたが、この日の理研の会見では、細胞の再現どころか、存在の可能性にも言及できず、幹部らは歯切れの悪いコメントを繰り返した。
責任者の相沢慎一特別顧問は会見の冒頭から、「検証実験のほとんどは検討途中だ」と弁明した。存在の可能性を問われても、「当たりがある宝くじとは違う」と、困惑したように横に首を振るばかり。