小保方氏の論文を基に実験に取り組む丹羽仁史プロジェクトリーダーも「結果は出ていないが、まだ他の方法を試す余地はある」と硬い表情で述べた。
小保方氏の実験が焦点
理研としては、「他の方法を検証する必要がある」との立場から存否の結論を持ち越したが、論文で提示された主たる方法での再現はできなかった。小保方氏は細胞の作製に「200回成功した」と主張しているが、それほど簡単に作れるものでないことははっきりした。
「実験のコツ」を知っているという小保方氏が、自ら再現できるかが今後の最大の焦点となる。(SANKEI EXPRESS)
■STAP細胞問題 理化学研究所の小保方晴子氏らは1月、マウスの体の細胞を弱酸性の溶液で刺激するだけで、さまざまな細胞に分化できる万能性を持つSTAP細胞を作製したとする論文を英科学誌ネイチャーに発表。既存の万能細胞である胚性幹細胞(ES細胞)と違って胎盤を含む全ての細胞に分化でき、より高い万能性を持つとされたが、多くの疑義が浮上し論文は撤回された。