撮影自体は過酷でも
「リトル・フォレスト」は漫画家、五十嵐大介(45)の同名の人気漫画を実写映画化したもので、映画版は夏・秋・冬・春編の4部作。今回、先行公開されるのは夏と秋編だ。都会での生活に疲れ故郷・東北地方の小さな集落「小森」に戻った少女、いち子(橋本愛)が、自給自足に近い生活に切り替え、旬の食材を駆使して創作したおいしい料理を毎日食べることで、少しずつ元気を取り戻していく姿が、移ろいゆく四季とともに描かれている。いち子の幼なじみで親友のキッコが松岡の役どころだ。
松岡はこれまでの撮影で「雨待ち」のケースをよく経験したそうだが、大自然を相手にする本作の場合、だいぶ勝手が違って頻繁にトリッキーな待ちがあった。「雪待ち、嵐待ち、作物の育ち待ちですかね。雨、風、日差しが強すぎる日もあるんですよ。それらをしのぐ機材にしても、撮影地は山奥にあるから、スタッフの皆さんもそう多くは運べないわけです。撮影自体は過酷そのものでした」
温かな気持ちになる
ただ、試写会で本作をみると、撮影の過酷さからは考えられないほど、優美な仕上がりとなっていて驚かされた。「自然の姿が優しく切り取られていて、温かな気持ちにしてくれました。監督たちが私たち以上に岩手県の山奥を愛していたということかもしれませんね。若い女の子でも楽しめる作品になっていると思います」