航空保安官のビル(ニーソン)はこの日も警備のため、ニューヨーク発ロンドン行の旅客機に搭乗した。離陸後、ビルの携帯電話に匿名の人物から「1億5000万ドルを送金しろ。さもなければ20分ごとに乗客を1人ずつ殺していく」との脅迫メールが届く。1人目の犠牲者が出たあと、ビルは乗客全員を拘束し携帯メールの送受信履歴を調べるが、手がかりが見つからない。犠牲者を次々と出す中、ハイジャック犯が受け取り先に指定した金融機関の口座がビル名義だったことが分かり、米当局はビル自身がハイジャック犯との見方を強めていく。
言葉、話し方を見る
犯人捜しに手を焼くビルが冷静に合理的な判断を次々と下し、じわじわとハイジャック犯を追い詰めていくさまは圧巻だ。ムーア自身は「直感で他人が善人か悪人かを判断するタイプ」と自己分析。時には大外れして大失敗を経験したこともあったそうだが、「相手が選ぶ言葉、話し方をしっかりと見ることを心がけている」という。だから仕事選びでも「結局は、仕事を持ちかけてくる人物が周囲ときちんとしたコミュニケーションが取れる人物なのか-という点を判断材料にしているわけですね」と言葉を継いだ。