【ウクライナ情勢】親露派支配地域=2014年8月28日現在、※ロイターの資料を基に作成。※2014年3月18日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は首都モスクワのクレムリン(大統領府)での演説で、ウクライナ南部クリミア自治共和国と特別市セバストポリのロシア連邦への併合を宣言した。【拡大】
ロシア軍の正規部隊が戦闘に加わっているとの情報はますます信憑(しんぴょう)性を増している。ロイター通信は、東部ドネツク州内での1度の戦闘で100人以上のロシア兵が死亡したとする露大統領付属人権委員会メンバーの調査内容を伝えた。
28日開かれた国連安全保障理事会の緊急会合では、英国のマーク・ライアルグラント国連大使(58)が「ロシア正規軍がウクライナで活動を続けているという反論できない証拠がある」と追及。米国のサマンサ・パワー国連大使(43)も「火に油を注ぐ行為はやめよ。(ロシアの)仮面は剥がれた」などとロシアを非難した。(モスクワ 遠藤良介、ニューヨーク 黒沢潤/SANKEI EXPRESS)
≪秘密裏派兵 「国民に隠された戦争」≫
ウクライナ東部の戦闘にロシア軍の正規部隊が投入されている可能性が高まり、4月からの紛争は新たな段階を迎えた。プーチン露政権は軍の投入はおろか親露派への武器供与すら否定してきたため、国際的な信用失墜は決定的だ。戦闘で多数のロシア軍兵士が死亡しているとの情報も出ており、「国民に隠された戦争」が将来的に国内の反発を招く可能性もある。