【ウクライナ情勢】親露派支配地域=2014年8月28日現在、※ロイターの資料を基に作成。※2014年3月18日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は首都モスクワのクレムリン(大統領府)での演説で、ウクライナ南部クリミア自治共和国と特別市セバストポリのロシア連邦への併合を宣言した。【拡大】
数百人が消息不明
露有力紙の独立新聞は8月29日、大統領付属人権委員会に兵士の親族から問い合わせが殺到しており、消息を絶った者は数百人にのぼると報じた。委員会のメンバーによれば、消息不明者の多くが露南部ロストフ州での演習に参加すると話していたという。
大統領付属人権委員会は著名な人権活動家らで構成され、プーチン政権とは複雑な関係にある。兵士や親族の聞き取り調査を行った委員会のメンバーは、2008年のグルジア紛争と同様の手法で兵士が投入されている可能性を指摘。当時、兵士らは国境付近の演習に参加する旨を口頭で伝えられ、身元を示す書類などは全て取り上げられていたという。
ロイター通信も28日、委員会のメンバーの話として、ウクライナ東部ドネツク州で弾薬を運搬していたロシア軍部隊が攻撃を受け、100人以上が死亡、約300人が負傷したと報じた。ウクライナの親露派組織幹部も先に、ロシア軍兵士らは「休暇」を取得してウクライナ政府軍との交戦に加わっていることを明らかにしていた。