【ウクライナ情勢】親露派支配地域=2014年8月28日現在、※ロイターの資料を基に作成。※2014年3月18日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は首都モスクワのクレムリン(大統領府)での演説で、ウクライナ南部クリミア自治共和国と特別市セバストポリのロシア連邦への併合を宣言した。【拡大】
アフガン侵攻を想起
ロシアではウクライナ政権や米欧を批判する「愛国ムード」が高まっており、プーチン政権が親露派を見捨てれば弱腰批判にさらされる。ここにきて親露派への武器供与だけでは戦況を好転させられなくなり、軍部隊を投入したとの見方が識者からは出ている。
3月のクリミア併合に先立ち、プーチン大統領は「軍は送っていない」と強調しながら、後になって派兵の事実を認めた。ウクライナ東部へのロシア軍投入が確実になった場合、プーチン政権に対する国際的反発が高まるのは必至だ。
影響力のある主要テレビ局は政権の統制下にあり、プーチン大統領の支持率は8割超の水準にある。国内で政権批判が急速に広がる可能性は高くない。ただ、自国兵士を秘密裏に戦場へ送り込む手法は、旧ソ連末期のアフガニスタン侵攻を想起させるとも指摘され始めている。(モスクワ 遠藤良介/SANKEI EXPRESS)