中国戦闘機(中国人解放軍の殲(せん)11戦闘機)による異常接近があった空域=2014年8月19日、南シナ海の公海上空【拡大】
環球時報の主張はその後、さらに激しくなった。8月28日付(電子版)の社説は、米軍が頻繁に中国近海や大陸付近で偵察活動をしている現状を変える方法として、「中国は遠距離偵察能力の発展スピードを速め、なるべく早く米国本土近くを偵察できるようにして、中米の相互の近距離偵察のバランスをとるべきだ」と指摘。「米国が中国近海での偵察活動をやめないなら、中国は、(米国)本土を目標とした近距離偵察の味を米国に味わわせるしかない」と訴えた。
中国軍機の挑発行為の背景要因は何か。中国側には「これは中国の核心的な安全保障上の利益に及ぶ問題であって、米軍の偵察は基本的に敵対行為と見なしてよい」(環球時報)との認識がある。一方で、米メディアには、今年4月にオホーツク海の公海上空で米空軍の電子偵察機がロシア軍戦闘機の異常接近を受けた際の米側の「反応不足」が誘因となったとの見方がある。つまり、挑発したところで、大したリスクはないと中国軍に軽く見られてしまったというわけだ。