中国戦闘機(中国人解放軍の殲(せん)11戦闘機)による異常接近があった空域=2014年8月19日、南シナ海の公海上空【拡大】
危険な力の空白
米国内では、今回の事案を教訓に、アジアでの米軍のプレゼンスの重要性について、再認識を促す議論も出てきた。保守系シンクタンク「アメリカン・エンタープライズ政策研究所」のマイケル・オースリン日本部長は8月28日付米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)への寄稿でこう指摘している。
「この先10年でアジアにおける米軍のプレゼンスが、他地域での需要や継続的な予算削減によって、徐々に弱まっていくと、一体どんなことが起きるか。中東や東欧で広がった力の空白が、アジアでも生じるだろう。世界が見てきた従来の中国の行動様式に基づくと、力の空白ができれば、中国の行動はさらに攻撃的になるだろう」
中国の習近平国家主席(61)は今年4月、北京でチャック・ヘーゲル米国務長官(67)と会談した際、「新しいタイプの大国関係構築の大きな枠組みの下で、新しいタイプの軍事関係を発展させるべきだ」と述べていた。異常接近が「新しいタイプの軍事関係」の一端なのだろうか。中国の言行に矛盾はないか、常に注意が必要だ。(国際アナリスト EX/SANKEI EXPRESS)