【対話の達人】
ある著名人のところにある日、若い女性が夫と離婚するかどうか悩んで相談に来たといいます。まだ若く、美しかったので「離婚しろ」と言ったところ、すぐに夫が来て「何てことを言うんだ」と文句をつけられたそうです。彼女から夫に話が伝わったわけで、彼女の本音は離婚したくなかったのでしょう。それ以来、その人は悩み相談を受けたとき、相手がしたいだろうと思っていることを答えるようにしているそうです。
確かに、個人的な悩み相談では、相談した時点で無意識も含めて進みたい方向を決めていることが多いようです。私も相談に答えると、半分くらいの人から「でも~」との返答が返ってきます。
悩み相談では、答えるよりも話を良く聞いてあげることをお勧めします。経緯や理由を聞き、つらい気持ちを分かってあげ、背中を押してあげると大抵の場合、相手は納得します。また、不思議なことにあなたのことを理解力のある人だと思うようになります。
しかし、仕事の相談の場合は利害が複雑にかかわっていますので、相手のしたいことをただ承認するわけにはいきません。相談者が取りたい行動と背景を把握して判断してください。