【本の話をしよう】
25万部超のベストセラーとなった『タイニー・タイニー・ハッピー』など、現代の女性のリアルを描き続けてきた作家、飛鳥井千砂(あすかい・ちさ)さん(35)。新刊『女の子は、明日も。』では“女の子”から“女性”へと移り変わりつつある4人の30代の心と体に、丁寧に寄り添った。
それぞれに違う悩み
年上の医者と不倫の末に結婚した満里子、仕事に悩みを抱える女性誌編集者の悠希、不妊治療を始めたマッサージ師の仁美、売れっ子翻訳家の理央-。32歳の4人は、14年ぶりに再会した高校の同級生。自分と“彼女”との違いに苦しみ、けれど同時に救われる…。負の感情をきっちりと受け止めながらも、さらりと優しい読み心地だ。「『女子』というと、ドロドロした部分がフィーチャーされるけれど、今回の作品ではそれだけではない、女友達同士が本当に互いに慈しみあえる関係を描きたかった。夫には異性ということで生理的なレベルで共感してもらえないし、親には世代が違うためやっぱり分かってもらいにくい。そういったとき、同い年の女友達って、すごく支えになるから」