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しょせん男はサンドイッチのパン 「女系の総督」著者 藤田宜永さん (1/5ページ)

2014.6.22 12:00

知れば知るほど摩訶不思議な女たち。「かしましいんだけど、やっぱりいとおしい」と語る、作家の藤田宜永(よしなが)さん=2014年6月11日、東京都中央区(大山実撮影)

知れば知るほど摩訶不思議な女たち。「かしましいんだけど、やっぱりいとおしい」と語る、作家の藤田宜永(よしなが)さん=2014年6月11日、東京都中央区(大山実撮影)【拡大】

  • 本作は自身初の家族小説。「色んなジャンルを書いてきたからこその集大成」と話す、作家の藤田宜永(よしなが)さん=2014年6月11日、東京都中央区(大山実撮影)
  • 「女系の総督」(藤田宜永著/講談社、1750円+税、提供写真)

 【本の話をしよう】

 我輩は男である-。作家、藤田宜永(よしなが)さんの新刊『女系の総督』はこんな一文から始まる。女系一家のただ一人の男として一家をまとめあげていく「総督」の物語。家族、仕事、恋、健康…人生の全てを詰め込んだ直木賞作家の集大成だ。

 出版社に勤める59歳の森川崇徳(むねのり)は、姉と妹に挟まれて育ち、結婚してできた子供も3姉妹。おまけに飼っている2匹の猫もどちらもメスというまさに女系一家の家長だ。妻は十数年前に亡くなった。熱帯雨林のごとく熱気をまき散らす女たち。自分は「植民地の熱帯雨林を監視管理する『総督』」だと人に言われたが、黙ってほほ笑むしかない-。

 「この作品のヒントを与えてくれたのは、カミさん(作家の小池真理子さん)です。カミさんはふたり姉妹の長女。よく妹と電話でけんかをしているんですが、3日後にはケロッとまた長電話をしている。振り子の揺れがすごく大きい。男にとってはよく分からない。そんな女性に囲まれている男の話を書こうと」

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