【本の話をしよう】
今回、あらためてこのコラムのコーナー名を振り返ってみました。
『本の話をしよう』。
本の話であれば、なんでもいい、とても自由な感じがします。そうか、なんでもいいのか。
それでは、若いころの私を叩きのめした、忘れられない本の話を、今回はしたいと思います。
遅れてきた中二病
白状します。
若いころ、自分を「本をたくさん読んでいるキャラ」に設定しようと試みた時期がありました。なに一つ取り柄がなくて、自分を表す記号みたいなものも当然ない現状が、情けなかったためです。
毎日書店へ行き、毎週図書館にも行き、小説から料理のレシピ本まで、とにかく読みあさる。