ロシアが毒蛇ならば、ウクライナは毒サソリだ。毒蛇と毒サソリの戦いから日本は極力距離を置き、いずれの側も支援しないことが重要だ。率直に言って、日本政府は米国に引きずられてウクライナ政府に不必要な支援を行っている。日本の経済支援によって浮かせたカネを、ウクライナ政府が親露派武装勢力との戦闘に用いる可能性は十分ある。ロシアからすればこれは日本がウクライナに軍事援助を行っているのと同じ効果を持つ。
米国もロシアもウクライナ紛争にケリをつけなくてはならなくなっている。それは、「イスラーム国」(IS)の影響がシリア、イラクを超えて中東全域に及び始めているからだ。さらにISのテロリストにはヨーロッパ出身者も多い。今後、テロ活動がヨーロッパ、米国、ロシアに拡大する可能性が十分ある。テロを阻止するためにロシアと欧米は接近を余儀なくされる。このあたりのロシアの見通しについて、森氏がプーチンに直接尋ねてみると面白い。(作家、元外務省主任分析官 佐藤優(まさる)/SANKEI EXPRESS)