自家農園「スリー・リーフ・ファーム」敷地内の水源地に立つラニー・マルティネリさん。農園は昨年9月にコロラド州を襲った大洪水で甚大な被害を受けたが、そのときに地下水の流れが変わったらしく、敷地内の低地に水が湧き出すようになった=2014年5月18日、米コロラド州ボルダー郊外(ディスカバー・アメリカ撮影)【拡大】
「こうした農法をやってみて、特に大切だと気づかされたのは、水だね。公共の水道はいろいろな処理がされているから、オーガニックな野菜を作るためには、自然の水がいい」。現在は敷地内に湧き出す水源のほか、近くの小川から自治体の許可を得て引水しているが、それでも足りないので、公共の上水道をさらに浄化して農作業に使っている。
米西海岸のサンフランシスコで生まれたマルティネリさんは、11歳のとき、両親に連れられてコロラド州に移住。ビート世代の詩人、アレン・ギンズバーグ(1926~97年)がチベット仏教の僧侶とともにボルダーに設立したナロパ大学に進学するため、学費を工面しようと大学近くにネイチャー志向のカフェをオープンさせたところ大評判になった。
「あのとき、飲食店経営のおもしろさに目覚めた。アイデア次第で、たくさんのひとに喜んでもらえる事業だと気づいたんだ」とマルティネリさんは話す。30歳のとき、妻のリサさんとともに念願のレストランをボルダーに開店。そこで提供する食材を自分で作りたくなり、農業を始めた。