2013年に描かれた「Captive Bunny」は、バニーガールと、バニーガールを後ろから捕まえる男が登場する。漆黒の闇のような黒、ビルの外壁のような灰色、そして雪のような白がシャープな階調の美を生み出している。
しかし、この作品でも、普通に顔は描かれず、男の顔はジグザグ模様で覆われ、バニーガールの顔は、溶け落ちる水飴のようだ。
この2つの作品には、キュービスムやシュールレアリスムなどの影響が垣間見られる。画面から感じられるものは、不安さやグロテスクさのほかに、ユーモアや懐かしさもあり、ポップアートや商業美術さえも土壌にしているようだ。
五木田は10年ほど前から、このアクリルグワッシュによる白黒の絵に「すっかりはまってしまった」という。顔を描かないことについては「なぜか分からないが、そうしたくなっちゃう」と無意識の心地よさを挙げた。
全体から感じる
「Untitled(works on paper),2014」には、プロレスラーや女たちの肖像画に交じって、顔のない人物画やデザイン画も収まり面白い。見ていて飽きない。