自民党新執行部の発足を受け、谷垣禎一(さだかず)新幹事長(左から2人目)と握手を交わす民主党の海江田万里(かいえだ・ばんり)代表(右)。政党党首としては安倍晋三(しんぞう)首相より1日早く就任した海江田氏だが、精彩を欠いている=2014年9月9日午後、国会内(酒巻俊介撮影)【拡大】
例えば10年以上ぶりの訪問だけをみても、ブルネイ、オマーン、スペイン、ニュージーランド、チリ、バングラデシュ、スリランカを加えて計9カ国に達する。初訪問国は、冒頭の2カ国に加えアイルランド、バーレーン、ジブチ、コートジボワール、モザンビーク、トリニダード・トバゴの計8カ国だ。
外交の要諦は、トップレベルの交流にあることは論をまたない。日本の首相の外遊先といえば、米国や中国、韓国、主要8カ国(G8)首脳会議などの国際会議の開催国が相場だ。首相が1年間で交代していたら、南米やアフリカまで足を伸ばすことは難しい。長期安定政権を視野に「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」を掲げて戦略的に外遊先を選ぶ安倍首相のなせる業といえる。
軸ぶれる海江田代表
実は「長期政権」を築く政党党首は、ほかにもいる。安倍首相よりも1日早く就任した民主党の海江田万里(かいえだ・ばんり)代表(65)だ。