【安倍政権考】
なぜ安倍晋三首相は、自民党総裁経験者の谷垣禎一(さだかず)前法相を新幹事長に抜擢(ばってき)したのか。「重厚なサプライズ」(高村(こうむら)正彦党副総裁)の背景を探ってみると、消費税率引き上げへのリスク軽減と長期政権への布石という、2つの思惑が透けてみえる。首相にとって、「谷垣幹事長」の費用対効果は抜群といえそうだ。
谷垣幹事長の起用について各社の世論調査では、読売新聞が59%、日本経済新聞は46%、毎日新聞は47%が「評価する」と回答。読売、日経では「評価しない」を20ポイント近くも上回った。谷垣氏の登用は、女性閣僚の積極採用と合わせ、安倍内閣の支持率を10ポイント近く押し上げる2大要因となった。
首相は谷垣氏の起用を「8月初旬には考え始めていた」というが、恥ずかしながら産経新聞を含め全社がノーマーク。首相は菅義偉(すが・よしひで)官房長官とともに谷垣氏に直談判し、「総裁まで務めた方に失礼を承知でお願いしたい」と熱心に口説いたという。