≪「安倍カラー」と「挙党態勢」の両立に腐心≫
来春の統一地方選を乗り切った上で来秋の自民党総裁選で再選され、盤石な政権基盤を確立する-。今回の内閣改造と自民党役員人事は、安倍首相(党総裁)が一連の政治日程を乗り越えるための重要な意味合いを持つ。「安倍カラー」の確立と「挙党態勢」の構築の両立に腐心しているが、両立は容易ではなく、谷垣氏で固まった要の幹事長人事は難航した。
「人心を一新し、日本を取り戻す戦いの第2章に臨むため、内閣改造と合わせ党役員についても人事を一新する。この際、一任を願いたい」
2日午前に党本部で行われた役員会で首相はこう語り、態勢強化に向けた決意を語った。
この時すでに固まっていた、総務会長に二階(にかい)俊博衆院予算委員長、政調会長に稲田朋美行政改革担当相を起用する人事からは、首相の狙いが透けてみえる。高市(たかいち)早苗政調会長も稲田氏も首相と思想・信条が近い。2代続けての保守系の起用は「政策面では譲らない」という意思の表れだ。