【安倍政権考】
「あまり11月のことは考えたくないなあ…」
9月3日に予定されている内閣改造・自民党役員人事を控えた8月下旬、ある政府高官はこう漏らした。首相官邸は官房長官、官房副長官、首相補佐官の留任が早々に決まり、すでに関心は改造後に向いている。その内政、外交の難題がこの11月に集中しているというのだ。
外交面では、11月10、11両日に北京で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の際に、安倍晋三首相(59)と中国の習近平国家主席(61)の首脳会談が実現するかが注目されている。7月下旬に福田康夫元首相(78)が北京で習氏と会談するなど日中両国関係者の往来も活発化しており、ムードは高まってきている。
官邸としては、これまで中国側の出方を静観してきたが、首相の「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」も5大陸を制覇し、日本への“応援団”を一定程度確保でき、国際世論上、ようやく中国と対峙(たいじ)する環境が整ったともいえる。首相周辺は「中国はメンツの国。『米国と並ぶ世界の大国だ』と豪語しているのに、自国に招いた各国首脳の中で日本の首相だけ会わないなんてみっともないことはできない」と中国側の事情を分析する。