GDP速報値の公表から月末までは約2週間しかない。この間に8%増税前に行っていた有識者ヒアリングも予定している。「突発事態で少しでも日程が狂えば、予算編成全体が崩れてしまう」(官邸スタッフ)というガラス細工のようなスケジュールを組むことが予想される。
中でも一番悩ましいのが、安倍首相が来年10月の10%増税を先送りするケースだ。8%増税による4~6月期のGDPの落ち込みもあり、安倍首相が10%増税を先送りするという見方は少なくない。ただ、少子化対策など社会保障制度改革のメニューは10%増税を前提として制度設計されているものも多く、10%増税を先送りすれば、これらのスケジュールを全て見直さざるを得なくなる。国際社会に新たな財政健全化の道筋も示さなければならないなど必要な作業は膨大になることが予想される。11月には沖縄県知事選も控える。
こうした11月の山積する課題を見ると、安倍首相が官邸の政務メンバーを続投させた理由も見えてくる。なるべく不確定要素を政権中枢に入れずに11月を乗り切りたいというのが安倍首相の本音だろう。11月が政権浮揚の好機になるのか、それとも支持失墜の転機になるのか、政権の真価が問われる月となりそうだ。(桑原雄尚/SANKEI EXPRESS)