長期政権への布石
今回、首相は谷垣氏を幹事長に据えたことで、党内を「財政再建派」「経済成長重視派」に分裂させる芽を摘んだ。谷垣氏は幹事長就任にあたり、「首相に増税の確約をさせなかった」(谷垣氏周辺)。谷垣氏が首相のために、一方的に大きな政治リスクを背負った形だが、その分、首相は増税判断のフリーハンドを得た格好だ。
首相にとって、谷垣氏を幹事長に起用するもう1つの利点は、石破(いしば)茂地方創生担当相による「ポスト安倍」への動きを大幅に鈍らせられることだ。
谷垣氏は12年の総裁選で再出馬をあきらめ、自民党内では「次期首相への道はほぼなくなった」(閣僚経験者)とみられていた。その谷垣氏は、今回の人事で石破氏と幹事長を交代する形で復権。逆に石破氏はラジオ番組で「幹事長続投希望」と公言したミスもあり、「ポスト安倍」レースで谷垣氏の先を進むのは、相当難しい状況になったといえる。