しかしクック氏はアップルを新たなステージに引き上げることも意識せねばならない。クック氏がCEOに就任してからも、アップルの売上高は世界市場への展開を背景にして拡大しているが、タブレット型端末は売り上げが頭打ちとなるほか、画面の大型化で後れをとったスマートフォンでは世界市場でのシェアが約12%まで低下している。
クック氏がアップル・ウオッチで狙うのは、ジョブズ氏の遺産頼みの経営からの脱却でもある。
腕時計型端末市場にすでに参入しているサムスンやLG電子、ソニーなどは市場開拓にもたついている。若者世代では腕時計をつける習慣が薄れていることや、製品のデザイン性の低さなどが原因とされる。アップルはこうした市場が抱える課題をアップル・ウオッチで打ち破りたい考えで、IT業界のアナリストからはアップル・ウオッチの成功を楽観視し、厳しい市場に苦戦している競合メーカーは「悪夢に突き落とされる」との声も出ている。