撮影でファントム(エリック)の気配を漂わせた城田優(しろた・ゆう)さん。「役柄の心になりきって歌うと、全く(自分と)違うようになる」と語った=2014年6月17日、東京都港区(山田俊介撮影)【拡大】
自らを「オペラ座のファントム」と名乗るエリックは顔半分を仮面で覆い、オペラ座の地下で孤独に暮らす。かつて彼を愛で包んだオペラ座の元歌手の母親は早世。以降、唯一の味方は、オペラ座支配人のキャリエール(吉田栄作)だった。しかしある日、キャリエールが突然解雇される。頼みの綱を失った不安と怒りから、エリックは新支配人夫妻を追い出そうと、次々と怪奇現象を起こし人々を怖がらせる。城田は「偏屈に曲がってしまった部分と、オペラ座という大きなおもちゃ箱の中で遊んできた子供っぽさや、ピュアな部分とが同時にある」とエリックの本質を解釈する。
ところがある日、母に似た歌声にエリックの感情は揺さぶられる。声の主はオペラ歌手志望のクリスティーヌ(山下リオ)だった。「初めての恋です。一身に母の愛を受けていた幼少期の多幸感が、久々にエリックの胸によみがえります。光が差して、心の氷が解けるイメージです」
この遅い思春期は、エリックの心を温めた一方で、仮面の奥にしまい込んでいた情動を呼び覚ます。