撮影でファントム(エリック)の気配を漂わせた城田優(しろた・ゆう)さん。「役柄の心になりきって歌うと、全く(自分と)違うようになる」と語った=2014年6月17日、東京都港区(山田俊介撮影)【拡大】
曲に心情乗せるため
イェストンの楽曲は、そんな感情のうねりを時にダイナミックに、また別の場面では繊細にメロディーに乗せる。当初、城田は「(エリックは)オペラに精通し、クリスティーヌに歌唱指導もするくらいだから、説得力を持たせるにはオペラのように歌ったほうがいいのか」と悩んだという。「ミュージカルでは話す声がそのまま歌になるのが素敵だし、心情を乗せることができるのでは」との思いがあったからだ。「だから直接、イェストンさんの前でオペラ風と、自分が思うエリックの声で歌ってみて、疑問をぶつけたんです。そしたら、『OK。そのままでいい。ロックスターみたいに歌って』と言われました。過去に演じたどの役とも違う、エリックとしての声をお聴かせしたい」
城田がどのようにして、ファントムからエリックへと仮面を脱がせていくのか。劇場に響く歌声がそのまま「解」となるはずだ。(文:津川綾子/撮影:山田俊介/SANKEI EXPRESS)