今月9日の夜、空に浮かぶ満月がひときわ大きく明るかったことに多くの人が気づいたのではないだろうか。日本をはじめ、ロシアやトルコ、スペインなど世界各地でこの日、月と地球が接近して通常の満月よりも大きく見える「スーパームーン」が観測された。年に一度あるかないかという現象だが、今年は7月12日と8月10日にも観測され、スーパームーンの当たり年。9日が見納めとなった。2015年9月28日にもスーパームーンは見られるが、今年ほどの大きさに見えるのは20年後の2034年になるという。
銀色に光り輝く丸い月がゆっくりと昇り、月が低い位置にある日没直後はその大きさを実感できた9日のスーパームーン。
満月は大きな円盤形をしているが、月は楕円(だえん)形の軌道を描いて地球の周りをまわっているため、およそ1カ月の公転周期の中で月が地球に最も近づく「近地点」と逆に最も離れる「遠地点」に達する時期がある。近地点の時は地球からは約36万キロ、遠地点では約41万キロと、両者は距離にして1割以上もの遠近差がある。そこで、月が最も地球に近づいた時に、満月もしくは新月になる現象をスーパームーンと呼ぶ。