畠山(はたけやま)美由紀のアルバム「歌で逢いましょう」は、演歌や歌謡曲に新たな息吹を吹き込んだ傑作である。
「カバーという気があまりしなかったんです。ジャズ・スタンダードのことをカバーとは言わないじゃないですか。それと同じ感じで、既にみんなの歌になっているというか、人生を歌っている名曲集という気持ちで歌っていました」
バンドと一緒に歌った一発録音のテイクをそのまま収録したということに、まず驚かされる。その程よい緊張感のせいか、まるで目の前で歌っているかのような臨場感がダイレクトに伝わる。
「悲哀に満ちた救いのない歌でも、歌っていると『この気持ちわかる』って感じる自分の感情を代弁してくれる歌は、知らないうちに心を慰めてくれますね」
酔うといつも歌うという、「悲しい酒」のようになじんでいる曲もあれば、思わずマイクを手で持ち、演じるように歌ってしまった曲も。「おんな港町」はサックスのファンキーな演奏に歌が舞い、「圭子の夢は夜ひらく」では即興性あふれる演奏に歌が生き、しびれるカッコ良さだ。