あれから3年。新刊を出した更紗さんは「デビュー作は勢いで書いた。今回は難産だった」と振り返る。「病気や障がいは、経験しなくちゃ本当のところはわからない。それをどうやって自分以外の人に伝えるか。パーソナルな辛い経験を伝えることにどんな意味があるのか。伝えたら何が起こるのか…」。心は揺れ動き、考えながら書いたという。
「最後は考えてもしようがない!って心境に至るんですけど」と笑う彼女は、サバイバーとしてパワーアップし、物書きとしても進化している。ほとばしる言葉やはじけるユーモア。面白いのはもちろん、ズシリとした問題提起もサラリと盛り込まれ、「えっ!?」と気づかされて、「ムムム」と考えさせられる。
「軽い気持ちで読んで」
「このままでは社会的な生命が失われる気がして、今、シャバに出ていかなくちゃ…という気持ちになった」と、入院から自ら卒業。