一方、元結い代表の江田憲司共同代表は安倍政権への協力姿勢をほとんど打ち出さず、ひたすら野党の結集を前面に出すことを訴えた。江田氏は、大会終了後の記者会見で「橋下氏と私の考えは全く一致している」と強調したものの、上京のたびに菅義偉(すが・よしひで)官房長官(65)らとの会談が常態化している橋下氏との間で、対安倍政権の足並みがそろっているとは言い難い。
所属議員数で勝る「維新主導」の動きにも結い側は警戒心を完全には解いていない。維新側は当初「国会議員組織の役員会に党本部役員は出席させない」との規定を盛り込む予定だったが、国政に関わる権限の低下を懸念する江田氏側から激しい抗議を受け、再検討を余儀なくされた。
維新、結いの溝は、結党大会の会場でもみられた。結党大会の壇上には国旗が置かれ、大会に先立つ結いの臨時党大会に国旗はなかった。新党の綱領には「統治機構改革で『この国のかたち』を変える」と盛り込んだが、憲法改正など国政の根本的な課題での相違は対立に発展しかねない。
両者の共通点は綱領にも掲げた「改革勢力の結集」であり、さらなる野党再編の必要性では一致している。結党大会には民主、みんな、生活各党の代表から祝電が届き、橋下氏は記者会見で「政権を一度担った民主党のメンバーに旗を振ってもらいたい」と、なおラブコールを送った。