休憩先の施設では、下山した小学生の男児が、出迎えた家族らと涙を流して無事を喜んだ。岐阜県本巣(もとす)市の女性(31)は「真上から大きな石が降ってきて死を覚悟したが、山小屋ではみんな一緒だったので不安はなかった」と話した。
長野県側の黒沢登山口から約10キロ麓の木曽町三岳交流促進センターに設けられた臨時宿泊所では、噴火後に自力で下山した40人の登山者らが一夜を明かした。大広間で雑魚寝状態だったといい、山頂付近で被災した愛知県豊川市の男性会社員(52)は「ほとんど寝ていない。周囲に火山灰に埋まった人がたくさんいたのに、助けられなかったので…」と目を伏せた。
埼玉県川口市の黒須康弘さん(41)は大きなリュックを背負い、登山靴は灰で汚れたまま。「命があるだけで本当に…」と言葉を詰まらせ、「自分がいた所に、命が危ない人も残っていると聞いた」と心配そうに話していた。登山者らは28日正午までに、全員が町のシャトルバスやワゴン車に乗り帰路に就いた。