救助、灰で足元見えず
隊員が足を踏み出す度に足元の石が崩れ、灰が舞った。「大きな石でも噴石かもしれず、足場になるか分からない。灰で自分の足元も全く見えない状態で、ストック(つえ)で地面をつつき、足場を確認しながら進んだ」
噴火翌日の9月28日から現地で捜索活動を行った東京消防庁ハイパーレスキュー隊の柳岡正隊長は1日、報道陣に救助活動の様子を明らかにした。
柳岡隊長ら救助隊31人は9月28日正午ごろ、王滝頂上山荘に到着し、心肺停止の男性1人と重傷の男女6人を発見。重傷者は布団で横になっていたが衰弱しており、柳岡隊長が「よく頑張ってくれました」と声をかけても、ぐったりとした様子だったという。
また、山荘近くの尾根道や崖の中腹などで、別の重傷の女性1人と心肺停止の状態の男女約10人を発見。全員は搬送できないため、灰が積もっても場所が分かるようにストックを地面に立てるなどし、重傷者ら計7人の搬送を始めた。