再噴火の危険の中
山岳救助では、急勾配の場合、樹木などにロープの両端を固定して担架をつるして、滑らせるように搬送するが、山荘付近に樹木はない。そのため、隊員が数人がかりでロープを持って固定し、「ゆっくりゆっくり」などと声をかけ合いながら、担架を落とさないよう細心の注意を払っていたという。
中腹付近まで担架を下ろし、重傷者7人全員をヘリで麓まで運んで救急車で搬送。救助活動中も背後の火山口からは真っ白い噴煙が立ちのぼり、灰と小石が絶えずヘルメットに落ちてバラバラという音を立てていたという。
柳岡隊長は、「いつまた噴火するか分からない状況だったが、とにかく要救助者を助けたいという思いだった。重傷者を救助できたことは良かったと思う」と話していた。(SANKEI EXPRESS)