セウォル号沈没から100日を迎えた7月24日、ソウル市中心街で抗議デモを行う遺族ら。韓国では一部の強硬な遺族が「特権意識」を振りかざし、国会が5カ月も機能を停止する事態を招いた=2014年、韓国・首都ソウル(共同)【拡大】
与野党は結局、調査委に捜査権などは与えないものの、真相究明を指揮する特別検事の推薦者に遺族を加えるかは今後、議論し、10月末までに特別法案を処理することで合意し、国会空転がようやく解消された。この合意に対しても遺族団体は「遺族を排除するものだ」と強く反発している。
「あの日の誓い」どこへ
この遺族団体のかたくなな姿勢に対し、別の韓国紙、朝鮮日報の社説(電子版、10月1日)は、「沈没事故の影響に引きずられ、国全体が沈んだ雰囲気になるのは、もう終わりにしたいのが国民の思いだ。遺族らは国民の思いにも配慮すべきではないか」と指摘した。
遺族寄りの主張を続ける左派系新聞のハンギョレも10月1日の社説(電子版)で、「『セウォル号(事故)の前と後で変わらなければならない』としたあの日の誓いを再確認する必要がある。あのとき、セウォル号問題は、政府と反対派の争点でもなかった」と不毛な対立に対して反省を求めた。