セウォル号沈没から100日を迎えた7月24日、ソウル市中心街で抗議デモを行う遺族ら。韓国では一部の強硬な遺族が「特権意識」を振りかざし、国会が5カ月も機能を停止する事態を招いた=2014年、韓国・首都ソウル(共同)【拡大】
韓国紙によると、強硬姿勢を貫く高校生犠牲者の遺族団体と距離を置く遺族もいる。一般乗客の遺族らは与野党合意に理解を示し、合同焼香所から家族の遺影を別の場所に移した。街からセウォル号関連の横断幕を撤去するよう求めたり、事故現場近くの港でも行方不明者家族に立ち退きを求めたりする声が上がっているという。
「ゆがんだ自画像」
遺族に対する国民の目が厳しくなったきっかけは、9月中旬に起きた運転代行業者への暴行事件だ。遺族団体幹部らと野党議員が酒を飲み、呼んだ業者に暴言を吐き、暴行したとされる。団体幹部らは「俺たちが誰か知っているのか」と言い放ったと伝えられる。
韓国紙は一部遺族が振りかざす「特権意識」を問題視し、朝鮮日報の社説(9月19日)は、「暴力を振るう遺族代表の姿は、韓国社会が情に流され、間違った対応を取ってきたかを示す、この国のゆがんだ自画像だ」とまで断じた。