サイトマップ RSS

【逍遥の児】天誅組最後の決戦の地に立った (2/2ページ)

2014.10.7 11:10

 奇襲。幕府軍は驚愕(きょうがく)した。銃を乱れ撃つ。銃弾の嵐のなか、決死隊は突っ走る。坂下の碇(いかり)屋周辺で激戦となった。碇屋は現存する。伊藤志津子さん(82)は語る。

 「それは、それは、すさまじい戦いやったそうな。家の前は血の海になったそうです」

 決死隊は壮絶な最期を遂げた。近くの山にひそんでいた本隊が動き出す。主将、中山忠光らは包囲網を突破して脱出に成功。大阪を経由して長州へ落ち延びた。他にも死地を脱した隊士がいる。池内蔵太(くらた)は長崎に渡り、坂本龍馬の海援隊に加盟した。北畠治房は明治維新後も活躍。男爵となった。天誅組の志士たちは生き抜いたのだ。

 天誅組最後の決戦の地。山麓に墓地。那須信吾らの墓標が建つ。きれいに清掃されている。すがすがしい。黄色い菊。紫色のリンドウの花。そして志士の故郷、土佐の水が供えられていた。

 わたしは目を閉じ、合掌した。秋の風。決死隊が渡った高見川のせせらぎが聞こえる。(塩塚保/SANKEI EXPRESS

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。

ページ先頭へ