(左から)「ダイアログ・イン・ザ・ダーク(DID)」ジャパンの代表、志村真介さん、暗闇のエキスパートであるアテンドのえばやん、ランランと、一般社団法人「Get_in_touch」理事長の東ちづる=2014年9月14日(山下元気さん撮影)【拡大】
99年から10年間、期間限定で各地で開催してきたが、「視覚障がい者が働き続けられる場をつくりたい」と、7年前に東京都渋谷区に常設会場を作った。現在、スタッフの3分の2が視覚障がい者。「目が見えている人の方が少数派」と、真介さんはおちゃめに笑う。
多様性を認め合う
DIDジャパンのプログラムは運動会、クリスマス、バレンタインと季節ごとに変わる。ネタバレになるので具体的な紹介はできないが、何も見えないのに、そんな大胆なこと、繊細なことができるのかと、最初は腰の引けた歩き方で、動作も恐る恐るになる。
参加者の肩書はおろか、顔も男女の区別も、自分の輪郭、自分の存在さえ分からない。不安過ぎる…と思ったら大間違い! それは自由だということに気づき、自然と解放されてくる。だからリピーターも多いのだろう。
参加者同士でとにかくしゃべる。まさに「暗闇での対話」だ。見えない分、声で伝えあう。満員電車はあれほど不快なのに、DIDでは人に触れたり、人の気配を感じたりして安堵(あんど)する。