一度は甲状腺がんで声を失うも奇跡のカムバックを果たした韓国の天才オペラ歌手と、彼を支え続けた日本の音楽プロデューサーとの友情を描く「ザ・テノール 真実の物語」(キム・サンマン監督兼脚本)は、実話をベースにした日韓合作映画だ。ユ・ジテ(38)がオペラ歌手に、伊勢谷友介(いせや・ゆうすけ、38)が音楽プロデューサーにそれぞれ扮(ふん)し、生きがいとは何かを存分に教えてくれる。
映画監督としての顔も持つ2人は、スクリーンで見た作品のでき栄えにほくそ笑んでいる様子。ユは「『完璧なオペラ歌手になる』という思いで撮影に臨みました。ベストに近い演技ができたことがうれしいです」と胸を張り、伊勢谷は「作品は冒頭から重厚感たっぷりに、格式を重んじながら、オペラの世界の匂いを感じさせてくれます。まず、そんなすてきな演出をしてくれる監督の映画に出演できてよかったですね」と満足そうだ。