1人暮らしのクラウディア(ヒメナ・アヤラ)は虫垂炎で入院した病院で、がんで死期を悟った、4人の子供を持つシングルマザー、マルタ(リサ・オーウェン)と仲良くなり、退院後、マルタから自宅に招かれるのだが…。
新進気鋭のメキシコ人監督、クラウディア・サント=リュス(31)がデビュー作「マルタのことづけ」で、実在のがん患者を題材に、ごく自然で、何げなく優しいタッチで家族愛を描いた。SANKEI EXPRESSのメール取材に応じた監督は「マルタと知り合った瞬間から、人生に対しての打たれ強さに魅了され、映画にしたいと常に考えていました」と映画化の意図を説明した。
抱えきれないほど重たいテーマを扱っているにもかかわらず、作品はどこかポップな印象すらも与えてくれるから不思議だ。監督は「クラウディアが果たした役割のように、身近にいる人の視点を通して、主人公が人生の居場所を再び発見するという物語を語ろうとしました」と語った。